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大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】を読んだ感想

大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】を読んだ感想

大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】の感想を書きます。
私はまだ30代ですが、死について深く考えさせられる一冊でした。

本著では自力で飲み食いできなくなった場合の栄養補給や食事会後の無意味さ、自ら進んで延命を辞退することで限りある医療資源を子供や孫など若い人に残してあげようということを呼びかける形で書かれています。

著者自身も77歳という後期高齢者で医師という立場から、日本の未来を考えてのことです。

この本では繰り返し、5つのことが語られています。

・食事介助は拷問である
・自力で飲み食いできなくなったら寿命であることを受け入れる
・介護従事者や家族は、食べさせないと死ぬと思っている
・医療はなんでも治せるとマインドコントロールされている
・延命治療や延命介護は辞退して、子孫に国民健康保険制度を残してあげよう

字が大きく、同じことを何度も語りかけているため、高齢者向けを意識しているんだなと感じました。
親世代へのプレゼントに良いなと思いました。

●ピンピンコロリは宝くじに当たるより難しい

理想的な死に方として「ピンピンコロリ」を挙げる高齢者は多いです。
ですが実際には、事件、災害、事故に巻き込まれでもしない限り健康な状態からいきなり亡くなることはありません。

ほとんどの場合は、徐々に身体機能が衰え、弱っていき亡くなるのです。
ですがその根底にあるのは、できる限り家族や周囲に迷惑をかけずに亡くなりたいという願いです。

そのため実現の難しいピンピンコロリに憧れるより、現実的に周りに迷惑をかけずに亡くなる方法を考える必要があります。

●食べられなくなれば寿命だと受け入れる

徐々に弱って死んでいくといっても、苦しいものではありません。
死んでいくのに飲み食いする必要はないため、体が要求しないからです。

食べられなくなれば意識が薄くなり、死が近づけば脳内麻薬が分泌されて夢見心地のまま亡くなるのです。
このように人間には苦しまずに死ねるシステムが備わっています。

犬や猫が老いるとあまり動かなくなり、食べなくなるのと同じです。
自然に任せて死ぬことは、何も苦しくないのです。

この辺りのことは、本著の前作大往生したけりゃ医療とかかわるなに詳しく書かれています。

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●介護従事者や家族は、食べさせないと死ぬと思っている

このように老いて食べたり飲んだりしなくなるのは自然なことです。

ところが介護従事者や家族は、食べさせないと死ぬと思っています。
だから食べられなくなったら無理やり口に入れたり、胃ろうを作ったり点滴を打ったりするのです。

ですが人間は、必要のない栄養や水分を受け入れることはできません。
そのため過剰な栄養や水分を処理しきれずにパンパンにむくんだり、喉に詰まって吸引という拷問に耐えないと行けなくなるのです。

●原因は近代医療に幻想を抱きすぎであること

いくつになっても、どんな状態でも病院に行きさえすればなんとかしてもらえるという幻想が、過剰な医療や長生かしにつながります。
病院は治せるものしか治せず、治す手伝いをするだけで寿命を延ばすことはできないのです。

例えば風邪の原因はウイルスなので、熱を出してウイルスを殺し、鼻水や咳でウイルスを体の外に出すという作業が必要です。
どうしても症状が重ければ、治りが遅くなるのを承知の上で薬に頼ることができます。

他の病気や怪我も同じで、病気や怪我を治すのは本人の自己治癒力であり、医者や薬、機械はそれを手伝うだけです。
「病院に行けばなんとかしてくれる」という思い込みを捨て、病気を治すのは自分自身であり、自力で食べられなくなったら寿命であると受け入れる意識改革が必要と述べています。

●自己負担が非常に安いことと、薄利多売方式の経営方針が思考停止を生む

・病気や怪我を治すのは事故治癒力で、医療はそれを助けるだけ
・自力で飲み食いできなくなれ寿命である

この2つさえ理解できていれば余分な以上や介護を受ける必要はなくなり、医療費の無駄遣いも減ります。
ですがこの簡単なことが、現代日本では難しいのです。

一つには国民健康保険制度があります。
健康保険が医療費を払ってくれるため、自己負担額は現役世代で3割、75歳以上になると1割で良いのです。

また森田洋之著・医療経済の嘘を読んだ感想でも書きましたが、日本の医療は薄利多売方式です。
診療報酬が低く固定されているため、儲けるには1人でも多くの患者を集めるしかないのです。

この自己負担額の安さと薄利多売方式の医療が、安易な受診や過剰医療につながっています。

●老化を病にすり替えては行けない

今時の年寄りは、老いによる衰えを素直に認めないそうです。
身体の不具合を病気と考えて医者を頼ります。

ですが医者にとって高齢者は貴重な収入源のため、歳のせいだとわかっていても口にすることはありません。
その結果「動脈硬化症」「骨粗しょう症」などの病名をつけて薬を出します。

ところがもともと老化が原因の不具合ですから、完治することはなく、辛いのを多少和らげる程度です。
治らないことを認めて受け入れることで楽になります。

●孤独死は実は理想的な死に方

よく独居老人の「孤独死」が問題になりますが、実は死に方だけ見ればとても理想的であると書かれています。
家族や医療従事者、介護関係者に邪魔されることなく穏やかな自然死が迎えられるためです。

人は徐々に弱って亡くなるため、身体の自由がきかなくなってきたらヘルパーや訪問診療医に来てもらうようにしておけば、死後何日も発見されないということもなくなります。
死に方としては理想的なので、ぜひ実行しましょうとあります。

結婚していても、子供がいても、配偶者に先立たれて子供が独立すれば最後は1人という場合も多いと思います。
ですが先に述べたように、自然死は苦しまずに楽に死ねる理想的な死に方です。

孤独死に対するイメージがガラリと前向きに変わったのはとても良かったです。

●自宅で死ぬのは最高の贅沢

本著には介護を受ける側の心得も書かれています。

・自分でできることは精一杯する
・自分ができないことをしてもらった時は、相手が誰であろうと必ずお礼を言う
・できるだけ愚痴や弱音は吐かない

核家族化や共働き、老老介護により介護余力は減っています。
この3か条が守れないなら自宅で死にたいとは思わないことと書かれています。

●事前指示書を準備しておく

ほとんどの高齢者は、重度要介護状態になってまで生きるのは嫌だと思っています。
ですがいざという時、自分で意思表示ができれば良いのですがその頃にはぼけていたり、意識がはっきりしなかったりと家族の意向により延命治療や介護が行われる場合が多いです。

自力で飲み食いできなくなった老人に胃ろうや点滴などの栄養補給を行うのは肉体的苦痛を伴う上に貴重な医療費の無駄遣いです。
そのような事態を避けるため、「事前指示書」であらかじめ意思を示しておくことが重要です。

本著には事前指示書の書式が掲載されています。
どのような医療措置を受けたいか、受けたくないか、ということを具体的に記すことができます。

自力でものを食べれなくなった場合どうするか、人工透析、輸血、最後を迎える場所などです。

アンケートによると、この「事前指示書」の必要性を考える人は7割近いですが、実際に書いている人は1割にも満たないそうです。
日本人にとって死とは縁起でもない恐ろしいことで、そのようなことを考えたり話し合ったりすることを避ける傾向があるためです。

これは保険屋をしていた私の感覚とも一致します。
誰も自分が死ぬことなんて考えたくないので、生命保険に自ら入る人はいないのです。

ですが死は必ず訪れます。
誰にでも100%です。

終末期の治療や介護について事前指示書の準備をしていなかったり、家族に意向を伝えておかなかったりしたばかりに起こる悲劇で溢れているのです。

●まとめ

大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】の感想でした。

私はまだ30代ですが、死について深く考えさせられる一冊でした。
自分が死ぬ時はもちろん、親が食べられなくなった時にも、苦しい思いをさせたくないと思います。

けれど自分1人だけがそう思っているだけではダメで、親や兄弟ともきちんと話し合って意思確認をしておくことが重要です。

大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】では自力で飲み食いできなくなった場合の栄養補給や食事会後の無意味さ、自ら進んで延命を辞退することで限りある医療資源を子供や孫など若い人に残してあげようということを呼びかける形で書かれています。

通常の書籍よりも大きな文字で書かれているため親世代へのプレゼントにも最適だと思います。
気になる方はぜひチェックしてみてください。

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保険の不必要性を説く保険屋。 未婚シングルマザーが実践する生活コストの減らし方を解説します! 節約・投資・保険・ミニマリストなどお金に関するお得な情報を発信中。