ライフスタイル

母子家庭は国民年金と厚生年金どちらが良い?

母子家庭は国民年金と厚生年金どちらが良い?

母子家庭だとパートやアルバイトなどの非正規雇用が多く、その場合年金や保険をどうするか悩まれると思います。

厚生労働省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、母子世帯の81.8%が就業し、48.4%が非正規雇用です。
非正規雇用の中には国民年金加入者も相当数いることでしょう。

それぞれメリットデメリットがあるため、比較して自分に合う方を選びましょう。

この記事では、国民年金と厚生年金の違いと保険料について解説します。

年収106万の厚生年金・社会保険料

厚生年金保険料 8,967円
社会保険料   5,046円
合計     14,587円

年収105万の国民年金・国民健康保険料

国民年金 全額免除(0円)
子供1人 5,223円
子供2人 7,537円
子供3人 9,851円

厚生年金・社会保険

メリット

・傷病手当金がある
・将来もらえる年金が増える
・健康保険料が安い

デメリット

・保険料の減額・免除制度がない
・条件を満たすと強制加入となる

国民年金・国民健康保険の特徴

メリット

・国民年金保険料は全額免除が可能
・国民健康保険は減額が可能
・保険料免除でも障害年金・遺族年金は満額もらえる

デメリット

・傷病手当金がない
・将来もらえる年金が少ない

●厚生年金か国民年金かは収入をコントロールすることでしか選択できない

まず前提として、厚生年金か国民年金かを自由に選ぶことはできません。
条件を満たせば会社の社会保険に強制加入となるためです。

そのため国民年金に加入したい場合は収入を低く抑えることでしか選択する方法はありません。

厚生年金と社会保険、国民年金と国民健康保険はセットになっていて、どちらかに加入することになります。

社会保険の加入条件です。
5つ全てを満たすと社会保険に加入となります。

1.所定労働時間が週20時間以上である
2.1カ月の賃金が8.8万円(*)(年収約106万円)以上である
3.勤務期間が1年以上見込みがある
4.勤務先の従業員が501人以上(厚生年金の被保険者数)の企業である
5.学生は対象外である(夜間や定時制など、加入対象となる学生もある)

また上記の要件を満たさなくても、正社員の労働時間・日数の3/4を超えると会社の社会保険加入となります。

そのため、社会保険に入りたくない場合は年収105万以下に抑えるか、労働時間を正社員3/4以下に抑える必要があります。

●年収106万での厚生年金・国民年金の保険料の違い

会社の社会保険加入のボーダーである年収106万円でのそれぞれの保険料を比較してみます。
年収106万以上で加入となるため、国民健康保険の方は年収105万で計算しています。

正確には国民健康保険料は市町村により異なるため、愛知県名古屋市での保険料で計算しました。

年収106万の厚生年金・社会保険料

厚生年金保険料 8,967円
社会保険料   5,046円
合計     14,587円

年収105万の国民年金・国民健康保険料

国民年金 全額免除(0円)
子供1   5,223円
子供2人  7,537円
子供3人  9,851円

となり、年収106万では国民年金・国民健康保険の総額の方が安いという結果になりました。

社会保険には扶養制度があり、子供の数が何人でも保険料は上がりません。
国民健康保険は人数が増えると保険料も上がるため子供の数により保険料が異なります。

国民年金には減免制度があり、母子家庭で年収125万以下の場合は全額免除となります。
さらに母子家庭であれば年収125万以下で健康保険料の3割減額が受けられるため、実際にはこの7割を負担することになります。

3割減額後の国民健康保険料

子供1人 5223円→3656円
子供2人 7537円→5275円
子供3人 9851円→6895円

以上から、年収106万での厚生年金・国民年金を比較すると保険料に1万円ほどの差が出ます。
詳しくは国民年金・国民健康保険料の減免制度に該当する年収はいくら?

これだけ見ると総額では国民年金・国民健康保険の方がお得なように見えます。
年収200万で計算しても厚生年金の方が自己負担額は高くなります。

年収200万

厚生年金 15,583円
社会保険料 8,416円
合計   23,999円

独身
国民年金    12,307円(4分の1免除)
国民健康保険料 12,207円
合計      24,514円

母子家庭で子供1人
国民年金     4,102円(4分の3免除)
国民健康保険料 14,984円
合計      19,086円

母子家庭で子供2人
国民年金        0円(全額免除)
国民健康保険料 13,080円(3割軽減)
合計      13,080円

母子家庭で子供3人
国民年金        0円(全額免除)
国民健康保険料 11,784円(3割軽減)
合計      11,784円

●国民年金と厚生年金の違い

厚生年金・社会保険のメリットデメリット

メリット

・傷病手当金がある
・将来もらえる年金が増える
・健康保険料が安い

デメリット

・保険料の減額・免除制度がない
・条件を満たすと強制加入となる

 

国民年金・国民健康保険のメリット・デメリット

メリット

・国民年金保険料は全額免除が可能
・国民健康保険は減額が可能
・保険料免除でも障害年金・遺族年金は満額もらえる

デメリット

・傷病手当金がない
・将来もらえる年金が少ない

大きな違いとしては傷病手当金があるかどうか、保険料の減免制度があるかどうか、将来もらえる年金額の3点です。
保険料だけを比較すれば国民年金・国民健康保険の方が安いのでお得です。
ですが厚生年金には国民年金にないメリットがあります。

・傷病手当金がある
・将来もらえる年金額が増える

この2点について本当にメリットがあるかどうか考えていきます。

●傷病手当金がある

傷病手当金とは、病気やケガによって入院または自宅で療養した際に給料の2/3が受け取れる制度です。
連続して3日以上休業すると4日目から支給され、最長1年6か月間までもらうことができます。

傷病手当金は医療保険が必要ない理由の一つでもあります。
ですがシングルマザーでも医療保険が必要ない7つの理由でも書いたように、入院する確率はとても低いです。
どうしても心配なら県民共済の医療タイプで十分です。

傷病手当金の金額は月額報酬16万(年収約200万)でも日額3553円です。
支給は4日目からなので、短期入院の場合はもらうことができません。

年収106万程度なら毎月1万円もプラスされる厚生年金に傷病手当金目的にわざわざ加入しなくても良いでしょう。
県民共済なら日額1万円の医療保障が実質月1400円で加入できるからです。

詳しくは県民共済は最強の保険?選び方を解説

●将来もらえる年金額が増える

厚生年金の保険料率は給料に対して現在18.3%、自己負担は9.15%です。
平均寿命まで生きた場合の収支(払った年金−もらえる年金)は自己負担分のみで1.59倍になります。

また別の資料では40代以下は年金の払い損世代になります。

学習院大学経済学部教授の鈴木亘氏の試算によると、40代で1000万円のマイナスになるということです。
サラリーマンと専業主婦が40年間厚生年金を支払い、平均寿命まで受給した場合の収支(払った年金−もらえる年金)です。

一方、国民年金は平均寿命まで生きれば収支はプラスになります。

厚生年金の方がもらえる年金額が多いのは、その分掛け金も多く支払っているからです。
いくら払って、いくらもらえるのかを冷静に考えれば、国民年金の方が有利なのは明らかです。

ただ国民年金は掛け金の上限が低いため、国民年金基金でさらに積み立てたり、浮いた保険料をきちんと貯金なり運用なりすることが大切です。

●年金制度の安全性

現役世代が支払った年金は積み立てられるのではなく、年金受給者にそのまま支払われる賦課方式です。
そのため、少子高齢化が進む将来、年金制度が維持できなくなるのではという不安があります。

実際に私が現役の頃20代や30代などの若い人たちに年金について聞くと、「将来年金はもらえないと思っている」と多くの人が答えていました。

破綻することはなくても、受給年齢の引き上げや給付額の引き下げにより、現在の水準は維持できなくなるでしょう。

現時点でも40代以下は収支がマイナスなのです。
今後さらに損失額は広がっていくでしょう。

では厚生年金と国民年金を比べた場合、安全性はどちらが上なのでしょか。
答えは国民年金です。

厚生年金と国民年金は一部繋がっていて、国民年金の赤字を厚生年金の保険料から補うシステムになっているためです。

また国民年金未納者の増加が問題ですが、国民年金は25年以上支払い期間がないと受給できないため、即破綻にはつながりません。

●国民年金と厚生年金、選べるならどちらにするか

厚生年金は会社員や公務員は強制加入となるため払う以外に選択肢はありません。

ただし年収105万以下のパートであれば国民年金に加入することができます。
また年収106万以上でも、従業員500人以下の会社であれば国民年金を選択することができます。

年収122万以下であれば、独身でも国民年金は全額免除になります。

国民年金は平均寿命まで生きれば支払った保険料が男性で1.9倍、女性なら2.4倍になります。
一方厚生年金は、自己負担額のみで計算すると男性は1.59倍にしかなりません。

詳しくは橘玲さんの記事現役リーマンの将来年金が月20万円、高齢者に食われて消える大問題に書かれています。

これによると平均寿命まで生きれば国民年金の方が厚生年金よりも利率が高くなるということです。
であれば、利率の高い国民年金に加入し、浮いた保険料を自分で貯金して運用した方が将来確実に受け取れます。

投資信託でインデックスファンドに毎月積み立てれば、5%の期待リターンが得られます。
こちらは私が楽天証券で積み立てている投資信託の時価評価です。

全額米国株の投資信託に入っているため、為替により評価額は上下しますが、3年ほどかけて積み立てた100万がプラス6万の評価額で、現時点で6%増えています。
詳しくは投資信託の損しない選び方/7つのポイント

●年収105万の生活

年収105万以下というと、月収約88000円です。
時給900円のパートだと、週5日×4.8時間=22000円
22000円×4週=88000円

となり、週5で4〜5時間働くと年収105万です。

子供がいると土日に働くのは難しいし、保育園のお迎えや下校時間に合わせての勤務となると大体5時間程度が妥当かなと思います。

月88000円では生活できない、と思われるかもしれませんが、年収157万以下であれば子供1人でも児童扶養手当が満額受け取れます。
児童手当と合わせると、子供の数にもよりますが月5〜8万プラスされます。

ここに養育費を5万ほどプラスすれば、月収は19〜22万となり、十分に貯金しながら生活することができます。
詳しくは母子家庭の生活費と手当6万を貯金する方法

●子供が独立した後の生活

母子家庭であれば非課税の収入が増えますが、子供が独立すると手当てはもらえなくなります。
児童手当は15歳、児童扶養手当は18歳までだからです。

ですが子供が高校生にもなればフルタイムで働くことが可能になります。
仮に年収200万稼いだとしても会社の規模によっては社会保険加入となりますが、手取りもその分増えます。

少子高齢化で人手不足のため、より収入の高い仕事に転職することもできます。
子育てのひと段落した50代女性は育児中の女性よりも時間の融通が効き、子供の病気で休んだりしづらいため雇われやすいというメリットもあります。

母子家庭は手当がもらえる間は年収を低く抑えて貯金し、子供との時間を確保するという生き方も有りだと思います。

●まとめ

国民年金と厚生年金の違いと保険料について解説しました。

年収106万の厚生年金・社会保険料

厚生年金保険料 8,967円
健康保険料   5,046円
合計     14,587円

年収105万の国民年金・国民健康保険料

国民年金 全額免除(0円)
子供1人 5,223円
子供2人 7,537円
子供3人 9,851円

厚生年金・社会保険の特徴

メリット

・傷病手当金がある
・将来もらえる年金が増える
・健康保険料が安い

デメリット

・保険料の減額・免除制度がない
・条件を満たすと強制加入となる

国民年金・国民健康保険の特徴

メリット

・国民年金保険料は全額免除が可能
・国民健康保険は減額が可能
・保険料免除でも障害年金・遺族年金は満額もらえる

デメリット

・傷病手当金がない
・将来もらえる年金が少ない

ABOUT ME
こえふ
こえふ
保険の不必要性を説く保険屋。 未婚シングルマザーが実践する生活コストの減らし方を解説します! 節約・投資・保険・ミニマリストなどお金に関するお得な情報を発信中。