下駄をサンダル代わりに普段使いするポイント
下駄は浴衣に合わせるのが一般的ですが、実は洋服にも合うことを知っていますか?
靴とは違う歩き方をする下駄には機能面・健康面でのメリットもたくさんあり、普段使いすることで暑い夏を快適かつ健康的に過ごすことができます。
この記事では下駄を7年普段使いしてる私が、下駄をサンダル代わりに履くことのメリットや注意点を紹介します。
・機能性とファッション性を兼ね備えている
・高さの低い台を選ぶと歩きやすい
・正しいサイズと履き方で痛くならない
・歩く距離・体重・歩き方により寿命は異なるが自分次第
・ショッピングカートへの接触注意
●洋服に下駄を合わせることで差別化できる
下駄は意外と洋服にも似合います。ジーンズ、ワンピース、スカート、パンツ等何にでも合わせられるので、浴衣や着物の時にしか履かないのは勿体無い😆❗️
普段着にも合わせやすい下駄は、男女問わずオススメです。
洋服に下駄を合わせることでファッションの差別化もできますね。
下駄はサンダルよりもフィット感があって歩きやすいし、木肌が汗を吸収するので蒸れずに快適に履くことができます。通気性抜群なので水虫予防にもなり、高温多湿の夏に下駄はピッタリなんです。
●靴にはない歩き方で様々なメリットがある
下駄は鼻緒を挟んだ足指に自然に力が入ります。
足指を意識して歩くため、靴よりも1.5倍の筋力を使うと言わます。
このことが、靴にはないさまざまな健康面でのメリットをもたらします。
・足の筋力アップ
・バランス感覚が良くなる
・足指が鍛えられて外反母趾の予防になる
・足のツボが刺激され血行促進に
一味違ったおしゃれができるだけでなく、機能面・健康面でもメリットがいっぱいの下駄。
ぜひ普段使いして欲しいのですが、押さえておくポイントを紹介します。
●高さの低い台を選ぶと歩きやすい
歩きやすい下駄を選ぶには台の形が重要です。普段使いするなら右近という低い台がおすすめ。台は表面の仕上げにも塗りや焼きなどの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
そんな色々ある下駄の台を、「普段使いする」という観点から紹介しますので、台選びの参考にしてください。
ちなみに私が履いてる白木の右近はこちら。かかとの高さが4センチです。
・右近
低めの台でサンダルに近い履き心地。
どんな洋服にも合わせやすく、普段使いにおすすめ。
右近でも物によって高さが微妙に違うのでお好みで。
・駒下駄(二枚歯)
下駄の基本形で、見た目に反して意外と歩きやすいです。
でも音が目立つのと洋服に合わせにくいので一回試したきり。
カラコロする音が気にならないなら和服との相性は抜群。
ジーンズやワンピースなど丈の長い洋服にも合います。
・舟形
女性用着物の草履に多い形。
右近より厚みがあって安定感があります。
重いのでたくさん歩くには不向き。丈の長いボトムスに合わせやすいです。
仕上げの違い
・白木
木そのものの風合いや色合いを重視した仕上げ。
表面が素の木なので、汗をかいてもサラッとした履き心地。
素足で履くのに最適です。白いので汚れが目立つのが難点。
・焼き
木を焼いてロウで仕上げた下駄。
白木に次いで履き心地が良く、濃い色なので汚れも目立ちにくい。
・黒塗り
下駄の中で最も多い。鼻緒が映えるのでお洒落な印象に。
雨にも強いが汗を吸いにくいので足袋を合わせた方が良い。
職人さんによると、塗りが一番人気だそうで、種類も豊富でした。
・表付き
表面に畳を張った下駄。和装履物の中で最も格式高い。
柔らかくて履き心地が良く疲れにくい。長く使うと畳が禿げてくるのが難点。
●正しいサイズと履き方で痛くならない
下駄で足が痛くなる原因は2つ。
サイズが合っていないか、深く履きすぎてるから。
サイズについては後述しますが、自分の足に合った下駄を選ぶことで解決できます。
下駄は足の親指と人差し指の間に指一本入るくらい開けるのが正しい履き方です。浅く履くことで、かかとは台から2~3センチ出るが適切なサイズ。足の指を奥まで押し込みすぎてると、前坪という鼻緒の足の指に当たる部分が指の間に食い込んで、痛みの原因になります。
正しい履き方をしていても、慣れないうちは痛くなりやすいので少しづつ慣らしていきましょう。新品の靴と同じで、履き慣れるまでは長時間歩かないようにした方が良いです。繰り返し履くことで鼻緒が柔らかくなり、足の形に馴染んできます。
雨の日は傷みやすいので控える
木は雨に強いですが、濡れたままにしてると腐るので濡れたら日光に当てましょう。
防水加工された台もありますが、
足が濡れるのを防ぐためにも雨の日は靴の方が良いと思います。
歩く距離・体重・歩き方により異なるが、毎日履いても2年は平気
私は毎年5月~10月位まで下駄を普段使いしてます。
2年同じ下駄を履きましたが、寿命で言えばまだまだいけます。
ただ見た目に履き古した感が出てきます。
靴と同じで壊れるまで履いても良いし、汚れや傷が気になるなら買い替えても良いです。
いつまで履けるかは、自分次第ということです。
ショッピングカートへの接触注意
涼しくて夏におすすめの下駄ですが、注意点が一つ。
足がむき出しなので、買い物中ショッピングカートに小指や踵をぶつけると
とっても痛いです😭下駄で出かける時にはお気をつけください。
●オーダーメイドで足に合った下駄を作ってもらえる
下駄といえば台に鼻緒の付いた既製品をイメージしますが、実はオーダーメイドで好きな台と鼻緒を組み合わせることができます。鼻緒を台に取り付けることを「すげる」といいますが、職人さんにすげてもらうことで自分の足に合った下駄を作ることができます。
自分の足に合った下駄なら、痛くならずに履き続けることができます☺️✨
ただオーダーメイドで作ることは可能でも、職人さんがその場ですげてくれる店は少ないです。私の知ってる店も東海地方で数店舗…
でも大丈夫。
調べると、ネットでも職人さんがすげてくれる店がありました。
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下駄・草履のひらいやさんです。
足の長さ・足の甲の周りを測ってから注文するのでジャストサイズで仕上げてもらえます。
注文時の項目で和装履物を履き慣れているかどうかでも調整してもらえるため、初めてでも安心です。
私が好きな白木の台(右近)はこちら。
素足で汗をかいてもサラッとしていて快適で、下駄の良さを一番感じていただけます。
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汚れが目立ちやすいので拭き取ることで綺麗に使えますが、私はだんだん面倒になってそのまま履いてます😅
あまり細かいことを気にしない方にもオススメ。
既製品もありますが、オーダーメイドで注文する場合は
「台と鼻緒、同時にご購入ください」にチェックを入れるとカートに追加できます。
リンク先から他の鼻緒や台、紳士用下駄もご覧いただけます。
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●普段使いしてると台、使ってないと鼻緒が先にダメになる
ちなみに下駄や草履は鼻緒の交換をしてもらえるのですが、長年の疑問を職人さんが解消してくれました。
「鼻緒より台の方が先にボロボロになりますよね?」
「逆なんです。毎日履かれる方は台が先に悪くなるけど、普段履かない方は鼻緒が朽ちてダメになります。」
とのこと。服も着てないと傷むのと同じだそうです。
「本当はお客さんのように下駄を普段使いしてくれる方が増えてくれると良いんですけどね…」と少し残念そうにおっしゃってました。
せっかくの下駄をお祭りの時しか履かないのはもったいないし、下駄離れが進むと職人さんも減る一方ですもんね。そこで、下駄の良さを伝える記事を書こうと思った次第です。
下駄を普段使いしてみたいと思われた方は、ぜひ履いてみて欲しいです。
足の指に風が通り抜けるのは、快適ですよ☺️
着てない浴衣をリメイクして下駄に合わせるのも良いですね。
ほどかず簡単に浴衣をワンピースにリメイクする方法