老後のための終身医療保険は必要か
「入院確率の高まる老後にこそ医療保険が役に立つ」
「老後に備えて終身医療保険に加入しよう」
医療保険について考えるとよく聞く言葉です。
でも本当に老後のために医療保険に入る必要はあるのでしょうか?
この記事では老後のための終身医療保険は必要かどうか解説していきます。
・80代後半でも入院確率は5.6%
・高額療養費制度は高齢者の方が優遇される
・医療費を準備する手段は医療保険でなくてもいい
●80代後半でも入院確率は5.6%
まずは入院確率を見てみましょう。
厚生労働省の患者調査表です。
県民共済はコスパ最高の医療保険でも解説しましたが、これによると60歳までに入院する確率は1%未満です。
では老後の入院確率はどうでしょうか?
男性 女性
60〜64歳 1.28% 0.85%
65〜69歳 1.61% 1.1%
70〜74歳 2.11% 1.56%
75〜79歳 2.91% 2.41%
80〜84歳 4.06% 3.75%
85〜89歳 5.6% 5.56%
90歳以上 7.8% 8.58%
と、60代でも2%未満です。
70代でも3%未満、80代前半で男性が4%を超えます。
80代後半で男女共5%を超え、90歳以上で7%を超えます。
90歳以上で女性が上回るのは女性の方が長生きで総数が多くなるためでしょう。
確かに若い頃に比べると確率は上がりますが、ものすごく高いというほどではありません。
またこの数字には長年の喫煙や不摂生など、生活習慣の乱れが原因での入院も含まれます。
あなたに喫煙や不摂生の習慣がなければ、もっと確率は下がると言えます。
もし入院したとしても高額療養費制度が高齢者は優遇されています。
そのためひと月当たりの医療費は年収370万以下の一般で56700円、非課税世帯であれば24600円で収まります。
●終身医療保険とは、一生涯保証が続く医療保険
終身医療保険は一生涯医療保証が続きますが、払込のタイプが2種類あります。
〇〇歳払込タイプ→ある年齢までに保険料を全額払い終えるタイプ。
現役のうちに保険料払込を終えるため、保険料は高い。
終身払いタイプ→死ぬまで保険料を払い続ける。ずっと支払うため保険料は安い。
60歳払済や65歳払済となっているのが払込タイプ、払込期間が終身となっているのが終身払いタイプです。
一見現役のうちに保険料支払いを終える払込タイプの方がお得に見えますが、本当にそうでしょうか?
ここで終身医療保険の試算をしてみます。
オリックス生命 新CURE
30歳男性 65歳払済
入院日額5000円
手術給付金10万円
月額保険料 2,115円
特約なしのシンプルな内容ですが、保険料を払い終えるまでの35年間で総額88万8300円です。
意外と良心的ですね。
でもがん特約つけると保険料1.5倍に跳ね上がります。
この保険に加入して仮に30日入院し手術を受けた場合、受け取れるのは25万円です。
支払額が88万なので、元を取るのに4回入院する必要があります。
つまり、医療保険は高確率で赤字になるのです。
医療保険は使い道が医療に限られる上何事もなければ掛け捨てで戻ってきません。
給付金を受け取っても支払った保険料以上に受け取れることは稀です。
だったら同じ88万、貯金で持っていた方が良いと思いませんか?
仮に入院でかかるお金が15万でも、
15万を準備する方法は医療保険じゃなくても良いのです。
まして現在30代、40代であれば80代を迎えるまで40年〜50年もあります。
50年もあれば、投資信託にお金を預けるだけで毎年平均5%のリターンを得られます。
時間を味方につけてお金を効率的に増やす方法があるのです。
毎月1万円の積立でも、5%で30年運用すれば元本の2.3倍にもなります。
投資信託の損しない選び方まとめ
●医療保険は医療費が貯金で貯まるまでのつなぎ
以前上司にこのように言われました。
相続税がいくらかかるという話をしてはいけない。
相続税がかかると大変、子供に迷惑かけたくないという気持ちを起こさせることが大事、と。
医療保険も同じですね。
数字の話をしてはいけないんです、現実を知ると保険が売れないから。
「入院したら医療費が大変!」
「老後は医療費がかかるから終身医療保険で準備しよう!」
などと安易に考えず、数字を見て自分にとって最適な方法をよく考えることが大切です。
ただ医療保険も全てが不要とは言い切れません。
貯金が全くない場合、つなぎとして格安の県民共済を利用するという使い方もあります。
貯金が貯まって不要になったら解約する前提で一時的に加入するなら有りです。
それでも終身医療保険は割高で払い続けないといけないため、オススメとは言えません。
終身タイプに加入するなら〇〇歳払込タイプではなく保険料の安い終身払いにして、
不要になったら解約しましょう。
●まとめ
老後のための終身医療保険について解説しました。
老後であっても怖がるほど入院率は高くなく、喫煙や不摂生などをしていなければもっと下がります。
もし入院しても高額療養費制度で手厚く守られています。
今の水準で高額療養費制度が20年30年と続くのは難しいですが、急激に変化することはないはずです。
不確定な未来を恐れるよりも、確実な貯蓄をしましょう。
長期入院や高額療養費制度崩壊への備えは必要か?
・80代後半でも入院確率は5.6%
・高額療養費制度は高齢者の方が優遇される
・医療費を準備する手段は医療保険でなくてもいい
この記事をご覧の方は、自分の保険に関心が高いタイミングだと思います。
もしかしたらかけすぎかも、でもどこから減らしたらいいんだろう?とお考えかもしれません。
でも、保険選びってなかなか難しいですよね。
以前は良くても、生活の変化により最適な保険も変化します。
かけすぎていたり、全然足りなかったりします。
保険料にも注意が必要です。
保険は長く払うものなので数百円の保険料の差でも、積み重ねると数十万円になることもあります。
保障内容が本当に自分に合っているのか、どこを変えれば良いのか、自分で判断するのは難しいです。
そこでおすすめなのが、プロに相談することです。
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複数の保険を扱う代理店なので、本当に合った保険を探すことができます。
ネットでは試算のできない商品の中に、良いものが見つかることもあります。
また、相談したからといって必ず保険に加入しなければならないわけではありません。
保険加入は納得した場合のみで良く、無理な営業もしないため安心して下さい。
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