未来の年表2を読んだ感想
未来の年表の続編で、こちらには個人でできる具体的な対策や行動が書かれています。
この記事では、河合雅司著未来の年表2の感想を書きます。
一言で言うと未来への漠然とした不安を可視化し、今から準備をすることの大切さに気づける一冊です。
・労働力不足による経済縮小・低賃金による生活苦
・賃金低下で正規・非正規にかかわらず、貧乏定年が増大
・具体的な3つの老後の準備
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●労働力不足による経済縮小・低賃金による生活苦
基本的には少子高齢化が更に進み、労働力不足による経済縮小とその影響について書かれています。
・一人暮らしが増えるので、自宅で亡くなる方が増える
・後継者不足で野菜が高騰し、健康を損なう
・人口減で鉄道利用者が減り、電車に乗り遅れると次がなかなか来ない
など、私たちの生活がどのように代わるのかが語られています。
野菜が貴重品になって、鍋料理が高級品になるかもしれないとか。
今でも悪天候の影響で野菜が高騰するってありますけど、それがもっと恒久的になり、価格の上昇も大きくなるとのこと。
あまりにも野菜が高くなると、コスパの良いサプリが今より流行るかもしれませんね。
お金関連だと他に、賃金、年金、相続について語られていました。
●賃金低下で正規・非正規にかかわらず、貧乏定年が増大
長く勤めても賃金が上がりにくく、団塊ジュニア世代は人数が多いため出世しづらいため。
親の収入で生活している人が217万人もいる。
●厚生年金に加入できず低年金・無年金になる
現在の40代以下は賃金を低く抑えられていて、年金保険料を納めていない人が多いため
●遺産マネーの流出で地方銀行が消える
預金の利便性を考え、相続した子供が遺産をメガバンクへ移すため
●女性の2人に1人が90歳まで生きる
ただし定年後の再就職は難しく貧乏おばあちゃんが増える
●貧乏定年になるかどうかは価値観次第
「賃金低下で年金保険料が払えず、蓄えもできず、貧乏定年になる」
とのことですが、全ての原因は賃金が低いことではないと思います。
蓄えができない原因は消費に慣らされた価値観と、支出管理能力の欠如です。
家を建てて一人前の価値観にとらわれないことや、物欲からの解放。
これができれば、低収入でも貯金はできるし豊かに暮らすことはできます。
とはいえ団塊世代にはもう蓄えるための時間が足りません。
この事実に気づいても、資産形成に時間を味方にできない世代は確かに苦しいでしょう。
実際、40代の2人以上世帯の貯蓄額300万以下が2014年は31.5%です。
子育てにお金がかかる世代とはいえ、心もとないですね。
●具体的な老後の準備
そこでこの本で紹介されている対策が3つあります。
働けるうちは働く
副業をする
家の中をコンパクト化する
上2つは誰でも思いつきますが、3つ目はちょっと斬新でした。
子供が独立し、配偶者にも先立たれ、広い家で1人で暮らす老人が増えます。
探し物の手間を省いたり、部屋間の温度差をなくすために使う部屋と使わない部屋を分けて生活しようと。
それ以上は言及されていませんでしたが、空いた部屋を貸し出したり民泊にすれば収入を得られますよね。
それに家を売ってしまってコンパクトな賃貸に移った方が維持費もかからないなど良い面もあります。
将来住宅の値段が下がり、人口も減ることを考えると難しいのかもしれませんが。
人口減による影響はどの業界でも等しいですから工夫次第でしょう。
それから、年金受給開始年齢を繰り下げて起業する、というのも紹介されていました。
繰り下げというのは受給開始年齢を高くするということですが、女性の方が長生きなので繰り下げのメリットが大きいのです。
起業してもうまくいくとは限りませんから、ダメならその時点から年金受給という方法もありますね。
●低コスト生活で時間を確保して楽しみを見つける
この本を読んでみて一番驚いたのが、多くの人は自分の寿命を短く設定しているということです。
ここには公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団による2017年7月に発表した40〜50代の正社員を対象とした調査結果が掲載されています。
自分が何才まで生きると考えているか?
という質問に対して
女性78.8歳
男性77.7歳
と、多くの人が自分の人生を短めに見積もっているのです。
女性に関しては実際の平均寿命よりも10年近く短く想定しています。
これでは準備不足になるわけです。
女性は男性に比べて年金額も少ないので更に大変です。
見通しが甘いというか、考えないようにしているのかもしれませんね。
もしくは希望も含んでいるのかもしれません。
長く生きても大変なだけだから、長生きせず寿命はこのくらいが良い、という。
なんだか悲しいですね。
生きるためにはお金も必要ですが、生きる楽しみも必要です。
生活するので精一杯だと、楽しみを見つける時間も少なくなってしまいます。
でも、収入が少なくても豊かに暮らせる方法はあります。
価値観の改革と、物欲からの解放です。
生活コストを無理なく下げることで稼がなくてはいけない金額も減り、時間も創出されます。
それにはミニマリストの思考や常識にとらわれない価値観が必要となります。
もちろん収入を増やすことも大切ですが、守りを固めないと結局支出が増えるだけです。
●まとめ
この本を読むと、少し未来の生活がリアルに想像できると思います。
近い将来訪れる未来に、備える重要さにも気づけるはずです。
「未来の年表2」では主に収入を増やすことを提案していますが、
私はそれ以上に生活コストを低く保つことが大切だと思います。
無理なく節約するための、モチベーションアップにも最適な一冊なので
気になる方はぜひ読んでみてください。
文庫サイズなので気軽にサクっと読めますよ。
・労働力不足による経済縮小・低賃金による生活苦
・賃金低下で正規・非正規にかかわらず、貧乏定年が増大
・具体的な3つの老後の準備
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