母子家庭なら該当しやすい!非課税世帯のメリットまとめ
母子家庭になると収入が少なくなるため、住民税非課税世帯になる可能性が高くなります。
住民税非課税世帯になると、保育料や国民年金の減免など様々なメリットがあります。
2020年から始まる大学無償化も住民税非課税世帯が対象です。
非課税世帯になるかどうかは、前年の所得により決まります。
所得が低くても独身では非課税になるのは難しいですが、母子家庭であれば非課税枠が増えるので該当しやすいです。
この記事では母子家庭が住民税非課税世帯になるメリットを紹介します。
・母子家庭は所得125万以下で住民税非課税世帯となる
・年収204万以下で母子家庭は税金が優遇される
・非課税世帯のメリットは国民年金減免、国民健康保険減免、大学無償など様々
・国民年金の減免
・国民健康保険の減額
・就学援助
・保育料減額
・大学無償化
・高額療養費の自己負担額が減る
・入院中の食事代が安くなる
・がん検診無料
・予防接種無料
●母子家庭は所得125万以下で住民税非課税世帯となる
住民税非課税になるには所得割と均等割両方が非課税になる必要があります。
以下の条件のいずれかを満たすことで可能です。
・生活保護
・寡婦または特別の寡婦で、前年の合計所得金額が125万円以下
・前年の合計所得金額が、各地方自治体の定める金額以下
母子家庭であれば2番目の「寡婦または特別の寡婦で、前年の合計所得金額が125万円以下」が適用されます。
寡婦…離婚・死別した後婚姻していない人、夫の生死が明らかでない人でかつ所得500万以下
特別の寡婦…寡婦の要件を満たした上で、扶養親族である子供がいる
「前年の合計所得金額が、各地方自治体の定める金額以下」とは、詳細は市町村により異なりますが一般的には扶養家族の数によって変わります。
扶養家族には子供のほか、高齢の親も含めることができます。
扶養家族がいない:合計所得金額<35万円(給与収入の場合は約100万円以下)
扶養家族がいる:合計所得金額<35万円×(本人+扶養親族の人数)+21万円
●所得と収入は違う
所得とは収入から控除や経費をマイナスしたものなので、年収=所得ではありません。
母子家庭は所得125万以下で住民税非課税世帯です。
所得の計算は会社員と個人事業主で異なります。
個人事業主の場合は「収入−経費」が所得です。
給与所得者(サラリーマン、パートなど)の場合は「収入−給与所得控除」で計算します。
・年収200万で子供2人の母子家庭の場合
給与所得控除を次の表から計算します。
200万の場合は1,800,000円超え~3,600,000円以下に該当するので
200万×30%+180,000円=78万となり、給与所得控除は78万です。
200万−78万=122万で、125万以下のため非課税となります。
課税されるかどうかの判定に使える控除は給与控除のみです。
収入−給与所得控除=125万となる年収が、204万となります。
会社員の場合、年収204万を超えなければ住民税非課税、204万を超えると課税されます。
課税される場合は、基礎控除、寡婦控除などをマイナスして税額を計算します。
年収204万といえば月収17万円です。
また、母子家庭の収入の一部である児童扶養手当、児童手当、養育費は非課税のため、計算に入れる必要はありません。
●母子家庭は税金が優遇される
年収204万以下というのは、寡婦または寡夫控除が適用されるひとり親家庭のみの特別枠です。同じ年収204万でも独身や夫婦の場合は課税されます。
どれくらい税金が優遇されるか住民税自動計算サイトで名古屋市の住民税を計算してみました。
年収204万の場合、名古屋市の住民税額
母子家庭(寡婦控除該当) 0円
独身 91700円
夫婦配偶者控除あり、16歳以上の子供なし57200円
このように税額だけ見ても優遇されていますが、住民税非課税世帯となることでさらなるメリットがあります。
●住民税非課税世帯のメリット
住民税非課税世帯のメリット一覧です。
母子家庭にとっては子育て関連の優遇や、年金・保険が安くなるのは嬉しいですね。
・国民年金の減免
・国民健康保険の減額
・就学援助
・保育料減額
・大学無償化
・高額療養費の自己負担額が減る
・入院中の食事代が安くなる
・がん検診無料
・予防接種無料
それぞれ詳しく見ていきましょう。
・国民年金の減免
国民年金保険料は、収入に応じて減免が受けられます。
具体的には所得が以下に該当することで、全額免除〜4分の1免除になります。
母子家庭で子供2人なら、(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円=127万円です。
所得127万以下で全額免除になります。
国民年金保険料は平成31年度で16,410円と、毎年上昇しているため全額免除はありがたいですね。
年金が全額免除されても、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1は将来受け取ることができます。
免除を受けるには申請が必要なため、該当する場合は市役所で手続きしましょう。
・国民健康保険の減額
国民健康保険料は、収入に応じて減免が受けられます。
具体的には所得が以下に該当することで、7割、5割、2割が減額されます。
所得制限に該当している場合は申請しなくても自動で減額されます。
また母子家庭で所得が125万円以下の場合は、申請することで3割減額が受けられます。
詳細は市町村によって異なるため、個別に確認してください。
・就学援助
小学校・中学校へ通う子供がいる場合で所得基準額以下の場合、給食費や学用品費が援助されます。
所得制限はゆるめですが、毎年申請が必要なためうっかり忘れないように気をつけましょう。
・保育料減額
保育料は住民税非課税世帯だと安くなります。
具体的な数字は市町村によって異なりますが、減免申請をすることで更に安くしたり、無料にすることもできます。
2019年10月からは所得に関わらず3歳〜5歳児は保育料無料になりましたが0〜2歳児は対象になりません。
市町村のホームページなどで確認して、該当する場合は減免申請をしましょう。
・大学無償化
2020年から始まる大学無償化は、住民税非課税世帯のみが対象です。
①住民税非課税世帯→国立大学は全額免除、私立大学は年間70万減額
②年収300万未満→①の場合の3分の2を支給
③年収300万〜380万未満→①の場合の3分の1を支給
私立大学の年間授業料平均は87万8000円なので、多少オーバーしますが月にすれば1万5000円程度です。子供が大きくなればフルタイムで働けるため、さほど問題ではないでしょう。
教育費の中で最も大きな負担である大学費用が大幅に減額されるのは助かりますね。
詳しくは大学無償化は母子家庭のための制度か
・高額療養費の自己負担額が減る
入院などで医療費が高額になった際、申請することで自己負担が限度額まで下がります。
非課税世帯だと自己負担学が35,400円です。
高額療養費制度は医療保険が必要ない最も大きな理由ですが、非課税世帯だとさらにメリットが大きくなります。
詳しくは医療保険が必要ない理由と、必要な理由7つへの反論
・入院中の食事代が安くなる
入院中は一食460円の食事代がかかりますが、非課税世帯だと一食210円になります。
・がん検診無料
非課税世帯だとがん検診の自己負担金が無料になります。
免除を受けるには市民税非課税確認書が必要です。
詳細は各市町村に問い合わせてください。
・予防接種無料
非課税世帯だと市が実施する予防接種の自己負担金が無料になります。
免除を受けるには市民税非課税確認書が必要です。
詳細は各市町村に問い合わせてください。
●まとめ
母子家庭が住民税非課税世帯になるメリットを紹介しました。
年収204万に抑えても、児童扶養手当、児童手当、養育費は非課税のため十分暮らしていけます。
むしろ中途半端に頑張って課税されると、上記のメリットが受けられなくなるため支出が増え、かえって生活は苦しくなります。
よほど稼ぐ能力があるなら別ですが、子供との時間を大切にするためにも非課税の範囲内で働くのも生き方の一つかなと思います。
・母子家庭は所得125万以下で住民税非課税世帯となる
・年収204万以下で母子家庭は税金が優遇される
・非課税世帯のメリットは国民年金減免、国民健康保険減免、大学無償など様々
・国民年金の減免
・国民健康保険の減額
・就学援助
・保育料減額
・大学無償化
・高額療養費の自己負担額が減る
・入院中の食事代が安くなる
・がん検診無料
・予防接種無料
●支出を減らし貯蓄を増やすためにできること
ここをご覧の方は、母子家庭や毎月の支出で悩んでいる方が多いと思います。
養育費の請求や確保についてはこちらの記事が参考になります。
養育費サポートセンター
今後子育て関連の支援が手厚くなるとしても時間がかかるでしょうし、どちらにしても少しでも支出を減らしてお金を残すことが重要です。
支出を減らすには固定費から見直すのが一番の近道です。
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削減しやすい固定費は、保険料です。
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